その日は、雨が降ってた。朝から最悪な一日になった。
私が通ってる高校は、家から自転車と電車で一時間半かかるのだが、雨が降って自転車に乗れなかったので、バスで駅に向かった。学校に着いたのは、9時半過ぎ…あきらかに遅刻。生徒指導の先生に呼び出されてこっぴどく怒られた。
始まりから最悪な日。こういう日は大抵いい日にはならない。
お昼過ぎにその時付き合ってた彼氏から電話があって、「優香の事は好きって思うけど…今は会われへんのに、優香は会いたい会いたいばっかで、まじ疲れたわ。とりあえず別れてほしい…」と言われ、お別れするコトになり話をしたい時に一番何でも話ができる美奈ちゃんは彼氏と学校をサボッてるという緊急事態。
学校にきてみたが勉強も一切手につかぬまま下校時間になった。
雨は相変わらず降ってる。帰りはバスの本数が少なく30分も駅で待つ始末。しかたないので、駅の高架下の階段で座って待つ事にした。高架下にはギターをもった青年が三人居て座って弾き語りをしてた。一人は気の弱そうな顔つきの人。もう一人はロン毛の鷲鼻に鋭い目つきの細い人。三人目の人は髪の色がシルバーに紫のメッシュをいれてる個性的な人。体も他の二人を合わせた位の体重がありそうな巨人だ。
私がそこに座っている間三人はずっとギターを弾き、歌っていた。主に洋楽ばかりで、歌うのも巨人の人ばかりだ。意外なことに声は高く、歌い方は甘い。バスが来たので、広げてたギターケースに500円を一枚入れて、走ってバスに乗り込んだ。