もう11月も終わりというのに、薄いジャンパーでも寒さがしのげる。
月がとても黄色く見えた夜だった。

「じゃあちょっとカラオケ寄って帰ろうよ」

久しぶりに中学時代の友人4人で集まっても、既婚者の2人は0時をまわると帰ってしまう。
いつものように独身の私と真優が残る。
真優は大手企業の管理職らしく、バリバリのキャリアウーマン。
勝ち気で昔からみんなのリーダー的存在だった。
カラオケが好きで休日は1人でフリータイムが基本だとか。
真優に連れられてたまたま入ったカラオケボックス。
もとはと言えば、それが始まりだった。