俺がサンタで君がトナカイ【BL】



「で、君は幸せ?」

「俺だって、お前以外は嫌だよ」

そう言ってやると、本当に嬉しそうに笑う。


よし、待ってろよ恋人たち。
幸せすぎるサンタとトナカイが幸せをプレゼントしてやんよ!

まあ、今は休息時間ですけどね!
俺も笑いながら、彼の胸に飛び込む。



……あれ?シートの間ってこんなに何もないもんだっけ?

何にも邪魔されない自分の動きに、多少の疑問を抱く。
辺りを見回せば、さっきよりも広く、そこはもう運転席とは思えなかった。



「俺にもプレゼントくれる?」

彼は耳元に唇を寄せ、そう囁いてくる。

断れる訳がないだろ?

俺は大体座ってりゃいいし、
彼は自分で必要な睡眠時間位、解っているだろう。

だから存分に、

「受け取れよ」


今ならきっと、誰よりも心を籠めて皆の幸せを祈ってやれるだろう。

俺が誰よりも幸せだと思えるから。
誰よりも、彼を幸せにすると信じるから。


メリークリスマス!