「お前、おかしいだろ?」
思わず睨んでそう問い詰める。
「何が?」
「そこまで出来るんだったら、
本当は、俺の相方になんてなる訳ないだろ」
多少は本人たちの意見も入って、
サンタと共に行動するトナカイは選ばれる。
だけど、ここまで能力に差があったら、別になっても仕方がない。
恋人であろうがなんだろうが、その方が逆に自然にも思える程だ。
そう、それこそ、どうしても。と。
「どうしても俺は、君がいいんだよ」
どうしても俺じゃなきゃ嫌だと、彼は頼んだのか。
そうだったなら、まあ、嬉しいんだけど。と、浮かんできた思いに答えるかのように、そう返ってきた。
「だって、ねえ、
俺は君のトナカイでしょ?」
声は優しく、微笑んでいると思ったのに。
彼の顔は少し、苛立っているように見えた。



