俺がサンタで君がトナカイ【BL】


「うーん……2人の世界をプレゼント?」

ああ、プレゼント。さっきも言ってたな。
けど俺が聞きたいのはそういう事じゃなく。

「ここまでどうやって来た?」

俺が寝てる間に、そう何時間も経った訳じゃない。
なのにこんな、言われるままの世界を信じてしまいそうな光景の場所にこれるのか?


「トナカイ力を駆使して?」

「……駆使して?」

「テレポート、的な?」

「………………へぇ?」


トナカイ力で瞬間移動。
それはできない事じゃない。
けれど実行するにはかなりの力が必要なはずだ。

それが出来るという事は、普通のトナカイの仕事に必要な事は全部できる。
俺の知っている以上に、コイツはもっと強い力を持っていたのか。
それならもちろん、車の運転なんてする必要が無い。

俺とする仕事なんて、それこそ、何もないはずだ。