「爆発しろよ、ほんと」

暖房が効いて暑すぎる位の大型トラック。
その助手席で俺は呟いた。


今日はクリスマスイブ。
そして俺はサンタ。
サンタはクリスマスに休めない。当たり前だけど。

そしてそれは、トナカイも同じだ。
俺のトナカイは、隣で運転中。
さっきの俺の呟きに微苦笑を浮かべている。


サンタ、トナカイと言っても、
俺も彼も人間で、もちろん名前はちゃんとある。

だけど今は関係無い。
仕事中なのだから。

だからサンタとトナカイで十分だ。

彼から目を逸らし、横目に移る窓へと向き直った。