「太一さんもお前の弟も心配してたぞ」


『桃李、騒いでなかった?』


「お前の所に行くって煩かった」



やっぱり、とため息を吐く。

あの桃李が心配しない訳がない。それはもう、寿が言った様に是非がでも飛んで来るくらいに。



『寿、七時に此処を出る』


「了解。車の方は準備万端だ」



撃たれたのは腕だけ。普通ならもっと入院して安静にするべき何だろうけど、あっちに帰ってからでも治療は出来る。



『飛鳥』


「ふぐ…っ、…桜ぁ~…」


『あ~、もう。戦争が終わったら相手してやるから!』


「マジ!?」



大和にボコボコにされて半泣きだった飛鳥は、あたしに泣き付くと〝相手してやる〟の言葉に目をキラキラさせた。



「…飛鳥……」



背後に般若を背負っている大和に飛鳥は子供の様にベーと舌を出した。

それにカチンッと来たらしい大和が飛鳥を殴り掛けたのでそれはあたしが止めた。


そうしないと話が進まない。



『飛鳥』


「はぁい?」


『闇月の奴らは?』



ヤクザに引き渡した闇月のメンバー。

きっとあたしが何か言わない限り手は出さないで居てくれるだろうけど、今の状況を知っておきたかった。



「あー、アイツ等ね。クスリが切れて暴れるから、ちょっとボコってるらしいよ」


『誰さん情報?』


「親父さん情報。桜によろしくってさ」