こんな奴等を見ると、どうして、と問いたくなる。

どうして薬に逃げるんだ、と。



――…バキッ



真っ昼間から鈍い音が響く。


喧嘩の仕方さえも忘れたかの様にがむしゃらに武器を振り回す奴等。



あたしは男の右頬に拳を叩き込んでそのままぶっ飛ばす。


寿と飛鳥も同じ様に暴れ狂う奴等を倒していく。



「ゲホゲホッ…アハハハッ」


「何が可笑しい?」



全員を倒した時、意識のあるヤツが急に笑い始めた。



「もう、遅いさ…。オレ達は囮で捨て駒でしかない」


『…あぁ、綱牙の方にも』



それなら大丈夫だろ。あっちには父さんと相楽がいる。

















「おー、随分いたなぁ」


「そうですね。久しぶりにストレス発散出来ました」



豪快に笑っている父さんと煙草に火をつける相楽。



「ハハハハハハッ」


「薬が切れたか?」



急に笑い始めたヤツを不信に思いながら相楽はそいつの側に立つ。


綱牙のメンバーは茫然とその様子を見ていた。



「もう遅いさ。オレ達は囮で捨て駒でしかない」



同じ言葉を吐く男。