飛鳥Side



桜は目の前で面倒臭そうに前髪を掻き上げる。

血桜になっている桜がそれをすると色気があって男なら誰でも見惚れる。


でもまあ今はそんなことどうでも良い。



『それ本当か?』


「ああ」


「七龍の傘下も集まって来てる」



大変な事になった。


人気の無い場所で俺達の声だけが響く。



七龍神(シチリュウジン)。

全国トップの黒龍。
関東トップの鬼龍。
各県トップの華龍・聖龍・白龍・飛龍・牙龍。


その七つのチームを合わせて七龍神と言う。


滅多に七龍神が集まる事は無い。


あるとすればそれは、各総長が新旧と入れ替わる時か戦争が起こる時。



今回は後者だから大変な事なんだ。



黒龍の総長から近々総会を開くと連絡があった。

俺と寿はそれを伝えに来たんだ。



『……明日、朝イチで向こうに帰る』


「明日?」


『お前らが来たんだ。まだ面倒臭い事、持ってるんだろ?』



流石、桜だ。