まず、一人目は相汰くんです。
相汰くんは、まだ中三で体力はある方です。でも、大人数や大柄な人が相手だと怯んでしまうらしいです。弱い自分に自信が持てないとか。身長もあたしと変わりません。

相汰くんは瞬発力を今以上に伸ばして、力が弱いみたいですからそれを筋トレで付けましょう。あとは、細々な避け方などを教えれば大丈夫ですね。


「おらっ!!」

『懐がガラ空きですよ』

「うえ!?ガハッ」


喧嘩のし方は全員組み手の中で掴んで覚えてもらいましょう。
床で悶えている相汰くんに組み手で思った事を伝え、それを持参してもらったノートに必要な事だけ書き込んでいきます。
あたしは一週間しか教える事ができません。ですから、終わった後はこのノートを見てもらう事にします。


次は尚さんです。
尚さんは大和と同じ年なので高三ですね。尚さんの場合は喧嘩自体があまり得意でないらしいです。けれど、型や瞬発力は十分です。尚さんは昔、武道を習っていたらしいです。
後は、体力が落ちている様なので、体力と力を付けましょう。


「……ッ!」

『早…っ!でも、まだまだです!』

「ゲホッ!!」


後ろを取ったつもりだったのに軽く振り向かれました。けれど私は、防がれてから素早く回し蹴りを横腹に入れます。尚さんも相汰くんと同様にノートに書き込んでいきます。


それから尚さんと相汰くんを合わせて五人ぐらいと組み手をして終われば、八時になっていたので朝食にします。朝食はお父さんの知り合いの方の奥さんが作ってくれていたのでそれを頂きました。とても、美味しかったです。

そして九時から残りのメンバーも組み手をしました。
私が組み手をしている間、他のメンバーには自分たちで組み手をしながらどうすれば強くなるかを考えてもらいました。


全員の組み手が終われば、時刻はお昼を過ぎていました。


『お昼にしましょうか』

「「うぃーす!」」














「と、言うわけで近所のファミレスに来ましたァ!」