気にする事のない、と弘や真に頭を撫でられても、美樹を見れば不機嫌丸わかりだ。 『でもね、』 「ん?」 『パパ、桃李もここにあずけようとしてたよ』 「とうり?」 『さくらの弟!』 ピシッと弘と真は固まる。 「ではその子は何処へ?」 『うん?桃李?桃李はね、パパの知り合いのおうち』 ひょっこり顔を出した流生に桜は答える。 『昔のあくゆう、なんだって』 「へぇ…」 意外そうに声を上げる流生に首を傾げる桜の身体は不意に浮く。