陽輝に掴まれたまま、若干しょんぼりする桜を青年は抱き上げ、奥のソファーに座らせる。 「おい、流生!?」 「何?」 「あそこは総長達の席だろ!?何、座らせてるんだよ!!」 「平気平気。彼女は大丈夫だって。あ、マスター!オレンジジュース一つ」 陽輝は少し離れたところで見ていて、青年――流生(ルイ)の行動に目を剥く。 流生は桜に此処に居るように言い、カウンターに来ると丁度奥から出てきたマスターに桜の飲み物を頼む。 「お客様ですか?」 「空道桜ちゃんですよ」