以前にも来た事があるが、それは三年前の事になるので全くと言って良い程覚えていない。



「お兄ちゃん…」



紙に書かれた通りの道を進んで途中で細い道に曲がると、そこは人通りが無く薄暗かった。

桜は裏道を眺めてから紙を見る。
父が描いてくれた通りに行くならば、この薄暗い裏道を通らなければならない。


普通の子供ならば怖がる所だが、桜は怖がる事もなく足を進めた。