「スゲェ!アンタ格好良かったぜ」


そう盛大に言うのは勿論、我らが阿呆の代表瑞樹くん

「いや、別に」

「マジ助かったしなっ!俺のダチが!!ありがとうなっ!」


そう捲し上げる瑞樹
彼困ってるからな、うん


俺は興奮している瑞樹をちょいちょいと引っ張る


「何だよー朔ぅー?」

「いや、あの人困ってるから」


そう俺が言うも瑞樹は「大丈夫大丈夫褒められて嫌な奴何て居ないから!」何て興奮冷め遣らぬ様子で言う


そういう問題ではない



「えっと、本当に病院へは行かなくても……?」

「ああ、」


ふと、篠崎はそう問い掛けると視線を男の手に向けた
俺もつられるように男の手を見た
そうさっき俺に振り下ろされそうになったナイフを握った手を

彼の手は何故か瑞樹が持っていた包帯によりぐるぐる巻きにされていた
勿論、止血とかそういうのはせずにトイレで洗っただけなので、血が包帯に滲み、完璧素人がやったとわかるだろう


「病院に行くのはちょっと……不味いんだよな」


と彼は頭をガシガシとかきながら頑なに病院に行くのを拒んだ
何か深い理由がありそうだ