‡仮想リアル‡


「……またこのパターンだよ」

今まで黙っていた波がボソッと呟くと苦笑した

「また?」

「そうそう……フりもしなければ、オーケーもしないパターン」

そう波は言って「行くか」と付け足すと歩いて優希を追い掛ける
私と百合亜は顔を見合わせてから波達の後に続いた



昇降口を出る途中にチラッと前河を見る
前河は茫然と私達を見ていたが、敢えて気にしない事にした






「さっきの話だけど……」

私は波の横に並ぶ
この方が話しやすいからだ

「フりもしなければ、オーケーもしないって?」

その言葉に私は頷くと波は苦笑して

「どうしてだろうな……」

と言うと続ける

「フりもしないから少なくとも嫌いではないんだろうけどさ」

確かにそうだと思う
フりもしなければ、オーケーもしないのは相手にとってはとても痛い答だ
でも、私的には前河はかなりレベル高いし、良いと思う……何かズレてるけど


優希ちゃんは何で何も言わないんだろう?


「そんなの私にもわからないわよ」

私の心の声に答えるように優希は言った
それは何処か寂しそうな声に聞こえた

私はそれ以上何も聞けなかった