「何そのあからさまに嫌な奴に会っちまった的な顔」
「その言葉、あからさまに馬鹿にしてんだろ?」
優希の言葉に顔をひきつらせながら返す朔夜
霜月 朔夜って──なるほど
何かを納得したように私は朔夜くんを見る
普通に好青年って感じのイメージだわね……
「蓮ちゃん?」
百合亜は私の視線の先に気付いたらしい
「ん?何でもないよ」
そう私は言うと二人のやり取りを聞き始めた
「……それよりも、そこで起きてるにも関わらず死んだフリして、助けて欲しそうに見つめてくるキモい馬鹿を引き取っていきなさい」
そう言うと優希は前河から視線を外すと歩く
どうやらぶん投げた自分の鞄を取りに行くようだ
朔夜くんを見ると溜め息を吐いて前河の側に近付いて行き、しゃがんだ
「……つか、お前先に行ってんじゃ無かったのかよ」
呆れながら言う朔夜
「いや、何か泉が見えて……ラブアタックを」
「……で、懲りも懲りずに撃沈か」
顔を上げてそう死にそうな顔で言う前河に呆れたような声の朔夜の一言
その瞬間、前河は勢い良く立ち上がると大きく息を吸った



