あたしたちの船は転覆。
浮き輪をしていたあたし、詩織、善そして、船長さんの大竹さんが助かった。
大竹さんは、
「・・・お前ら3人だけでも助かってよかった。」
って言ってくれたけど・・・。
あの時あたしがお母さんだけじゃなくて・・・
詩織のパパとママとか、善のパパとママとかに話せばよかったんだ。
なんて、後悔しても時は戻ってこない。
そして、大竹さんはとてもお金持ちらしく・・・。
あたしたち3人と、将来3人が家族を持った時にその家族と暮らせるようにと、大きい家を買ってくれた。
「あの、大竹さん・・・。
この家のお金はいつか必ず返しますから!」
「・・・いや、いれねぇ。
・・・俺、どーせ1人だし。
・・・嵐が来るって分かってたのに港に早く帰らなかった俺も悪いし。
・・・だから、金はいい、返さなくて。
・・・俺がやりたくてやったんだから。」
大竹さんはそう言ってくれたけど、お金は必ず返す。
あたしが・・・必ず・・・。
「すみません、大竹さん。
あの・・・フルネームとお年を聞いてもいいですか?」
「・・・俺は、大竹 和弥。
・・・9月10日生まれ、27歳。
・・・君は?」
案外若い・・・。
「・・・あたしは、小竹 燈南。
15歳、今年高校生。」
「・・・俺、つかまんねぇよな。」
「うん、大丈夫ですよ。
ねぇ、大竹さん?
一つ聞いてもいいですか?」

