――SIDE 燈南――
詩織って、馬鹿なんだよね。
あたしと、詩織と、善は幼馴染。
・・・でもね、あたしたち3人には、両親がいないんだよね。
あたしたち3組の家族は両親たちが仲良くて、あたしたちも仲良くなった感じ。
あたしたちが、高校生になる時にこの3家族で3泊4日の旅行に行こうってことになって、旅行に行ったの。
旅行先は、沖縄。
みんな、楽しんでた。
2日目までは・・・ね。
3日目はみんなで船に乗って、海に出ていた。
あたしのお母さんは、
「しぃちゃんと燈南とゼンゼンは、ちゃんとコレ、つけてね!w」
と言って、浮き輪を渡してきた。
「浮き輪って・・・。
お母さんたちは?」
「私たちは、全員元水泳部だから、泳げるよ。」
「ふぅん・・・ま、船が転覆なんてナイと思うけど、気を付けてね。」
「はい、詩織。
浮き輪、危ないから付けとけだって。」
「ありがとー、燈南ちゃん。」
「ぜーん! 浮き輪。
危ないから付けとけだって。」
「浮き輪?! この年になって?!
まぁ、つけとこー・・・。」
あたしたち3人は付けといて正解だったらしい・・・。