――SIDE 燈南――

和弥さんのおかげだ・・・。

でも、和弥さんに好きな人、知られるところだった・・・。

危なっ・・・。

和弥さんには、

『タイミングが来たら、告うよ。』

なんて言ったけど、この気持ちは絶対に伝えることはナイ。

「・・・おい、そろそろ帰るぞ。」

「うん。」

あたしが椅子から立ち上がり、かばんを持とうとすると・・・

「・・・俺が持ってやるよ。
 ・・・ほら、かしてみ?」

「ありがとう。」

和弥さんは、いつも無愛想。

返事だって、ワンテンポ遅れるし。

言葉にも少しトゲがあるし。

・・・でも、こうゆうさりげない優しさがある。

あたしは、和弥さんのこうゆうところに惹かれたのかもね。

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「ただいまー!!」

「・・・ただいま。」

「おかえりなさーい・・・、燈南ちゃあ―――ん!泣
 あ、カズさんも。」

「・・・ただいま、詩織。」

「詩織、善は?」

「あ、部屋だよ。
 寝るとか言ってたんだけどね、多分ゲームしてるよ。」

「ありがとう。」