政略結婚、しました。9



「はいこれ。どーぞ」

「!?」

急に、目の前に差し出された
靴に。


びっくりして振り返ると、
そこにいたのは…。


「し、紫歩ちゃん……?」

「あ、また、ちゃん付けした〜。
紫歩でいいって言ってるのにさ〜


―――笑顔でそう言いながら、
当たり前のように、
あたしの隣に紫歩は座った。


「なんで…」

なんで靴のこと知っ…?


「………あたしも、同じことされ
たことがあるのよ。……ほら、あ
たし、紫樹と名字が、違うじゃな
い?それに、顔も似てないしね。
………で、仲がいいものだから、
女子の反感を買っちゃったの」

「そのとき紫歩は、どうしたの?


どうやって…頑張り抜いたの?