「紫樹、何かあったのか?」
「……………別に、何もねぇよ」
「ウソだ」
「ウソじゃねぇよ」
「…………言いたくねぇんならい
い」
「…………」
「愛理ちゃん。紫樹のことなんか
ほっといて、俺と話そう?」
「え、あ、えっと…」
愛理が俺をチラッと見る。
…………なんだよ。
「ケイト」
「………あ? 何? 話す気になっ
たか?」
「………ちげぇよ。そいつの腕か
ら手、離せ」
「…………あ?」
「愛理。来い」
「「……えっ?」」
「愛理」
「………え、あ、う、うん……」
グイッと愛理の腕を引っ張り、
屋上に連れて行った。

