「素手で拾うと危ないから。拾う
な」
しゃがんで拾おうとする愛理の
腕をグイッと引っ張りあげ、
立たせると愛理は、
驚いた顔でジッと俺を見た。
「紫樹…………///////」
「………掃除機。持って来い」
「え?あ、う、うん!!」
………やべぇ…。
慌てて掴んでいた愛理の腕を
離した。
触(フレ)るの、俺はよくても、
愛理はそうじゃねぇんだった…。
逃げるようなはやさで、
俺から離れて行った
愛理の後ろ姿を見ながら俺は、
自嘲気味に軽く笑い、
割れて粉々になった破片を
拾い始めた。
「いてっ……」
いろいろ考えながら
視界に入ったカケラを、
とりあえず適当に
拾っていたせいか、
破片で指を切ってしまった。
「え、ちょ、し、紫樹っ!?」
それでも特に気にせずに
破片を拾っていると、
背後から焦ったような愛理の声が
聞こえた。