「神林さんの席は〜…」

俺の右隣の席は、空いている。

だから愛理の席はここにしよう。


無意識のうちに俺は、

「先生!!ここ、空いてる」

……と、言っていた。



「え…そ、そこ…?」

「…………それ、まじ?紫樹」

驚いたのは先生とケイト。

……は、もちろん、
クラスのやつ全員が、
一斉に俺を見た。



………それはそうだ。


隣の席に女がいることすら
拒んでいた俺が、

隣の席に来いと
言ったのだから―…。