「愛理?どうした?」 「……………」 「愛理?」 ――いくら声をかけても愛理は、 うつ向いたまま俺の服の裾を 掴んで、動かなくて…。 「愛理。帰るぞ???」 「………………」 「紫樹」 「…………なんだよ」 ―――そんなとき、 この家の住人で、 俺の双子の妹・紫歩が、 口を開いた。 「紫樹のバカ」 「………あ゙!?」 なんだよ、いきなり!! ……つか、 開口一番がそれかよ!?