政略結婚、しました。9



「愛理?どうした?」

「……………」

「愛理?」

――いくら声をかけても愛理は、
うつ向いたまま俺の服の裾を
掴んで、動かなくて…。









「愛理。帰るぞ???」

「………………」



「紫樹」

「…………なんだよ」

―――そんなとき、
この家の住人で、
俺の双子の妹・紫歩が、
口を開いた。

「紫樹のバカ」

「………あ゙!?」

なんだよ、いきなり!!

……つか、
開口一番がそれかよ!?