「紫樹には?言った?」
あたしは何も言わずに、
ただ黙って、フルフルと、
首を横に振った。
「なんで言わないの…?」
「……………」
「愛理。黙ってちゃわからないよ」
「……迷惑…かけたくなくて…」
最近―…あのコワい夢のせいで、
紫樹にべったりだし…。
これ以上べったりしちゃったり、
心配かけたり出来ないもん…。
「愛理。紫樹はきっと、迷惑だな
んて思ってないよ。むしろ、頼っ
てほしいって思ってるハズ」
「そ、そんなこと…」
「紫樹を、信じてあげて?」
紫樹を…信じる???
「信じてるよ…?」
「そういう意味じゃなくて。頼っ
てあげて?紫樹にとって愛理は、
特別なんだよ?」
「特…別……」
「あたしだったら、頼って欲しい
な」
「……………え…?」
それってどういう意味…?

