政略結婚、しました。9



「はい。どうぞ」

「ありがとうございます…」

―――紫歩の家に転がり込んだ。



「俺、部屋にいるから。何かあっ
たら呼べよ」

「うん」

―――紫歩の旦那さんの
宏貴さんが、

気を使って、
部屋からいなくなった。




「………で。何で家出なんかして
来たのよ?」

呆れ顔で聞いてきた紫歩。


「……………」

「いじめ?」

「……………」

―――その言葉にあたしは。
コクン…と、小さく頷いた。





―――いじめが始まってから、
2週間。




いじめは日に日に、

酷くなっていた―…。