「はい。どうぞ」 「ありがとうございます…」 ―――紫歩の家に転がり込んだ。 「俺、部屋にいるから。何かあっ たら呼べよ」 「うん」 ―――紫歩の旦那さんの 宏貴さんが、 気を使って、 部屋からいなくなった。 「………で。何で家出なんかして 来たのよ?」 呆れ顔で聞いてきた紫歩。 「……………」 「いじめ?」 「……………」 ―――その言葉にあたしは。 コクン…と、小さく頷いた。 ―――いじめが始まってから、 2週間。 いじめは日に日に、 酷くなっていた―…。