多くの人が行き交う新宿駅で1人呆然と立ち尽くす私はその紙に目を向ける。


そこには彼の電話番号と『レン』という文字が書かれていた。


レンと言うのは多分彼の仕事上の名前なんだろう。


いわゆる源氏名というやつだ。


私はそのメモ用紙を大事にお財布の中にしまった。




これが私とレンの最初の出逢いだった。