私にはもう抜け出せないことくらいわかっていた。


前に進むしかなかった。


その先に後悔と大きな傷を追う代償があることはわかっていた。


それでも貴方が大好きで、なにもかも自分のものにしたかった。


そんなのは初めから無理だとわかっていたのに。


貴方が揃えた白と黒で統一された部屋で小さく、ばれないように、涙を流した。