「わりぃ、待たせた?」


「ちょっとだけね」


「まじかよー‥じゃ今日は全部俺の奢り」


そう言うと、何万もする海外ブランドの財布をスーツのポケットから取り出した。


私なんかメジャーなショッピングモールで買った何千円かのノーブランドの財布。


ほら、住む世界が違うでしょ?


「いいよ、お金あるし」


「あのねー男が奢るって言ったら、女はおとなしく奢られればいいの」


「そんな事よりも、今日はレンのことを色々知りたいの」


私がそう言うと、レンは目を丸くして優しく微笑んだ。


「なに?俺に惚れた?」


その笑い方、ほんとズルい。