今日もレンに会うことは出来なかった。
私は家についてコーヒーを飲むためにお湯を沸かした。
「ただいま」
なんて言っても返事はない。
私は高校1年の時に親と喧嘩して家を出て、それから一度も実家には帰っていない。
親も何も言ってこないし、もともと私のことは子供だなんて思ってなかったのかもしれない。
バイトを毎日いれて、家を借りて、当時付き合っていた彼氏と同棲をしていたけれど、彼氏とは同棲を始めてすぐに別れた。
そうして今に至るのだ。
テレビをつけて、白いソファーベッドに深く腰を掛ける。
寂しいなんて思ったことはない。
自分の決めた道だから、今更弱音なんか吐きたくない。
やかんに入れた水がひゅーひゅーと音を立てて暴れだす。
私は働いてる喫茶店で貰ったコーヒーにお湯をそそいだ。
「ふぅ」
魂も一緒に出ていったんじゃないかと思うくらい大きなため息をして、ふとレンがくれたメモ用紙のことを思い出した。
