あのねっ、お姉ちゃん龍太郎に紹介したい人がいるのっ

ギロリと秋帆を睨む龍太郎。

喧嘩など無縁の世界で生きてきた秋帆にとっては、竦み上がるような眼光だ。

「り、龍太郎!嘘つかせたのはお姉ちゃんなの!秋帆君に無理言って私が…!」

雛菊が慌てて釈明するも、最早聞く耳持たず。

龍太郎は。

「!」

秋帆の前に、自分のプリンをトンと置く。

「……え…?」

殴られる。

そう思って涙を浮かべてギュッと目を閉じていた秋帆は。

「食えよ」

龍太郎の満面の笑みにポカンと口を開けた。

「雛菊は恥知らずだから、付き合うの大変だろ?」