ルイは女性の艶やかな喘ぎ声を聞いたときに無表情になり、全てを見下す目をする。

「……ゲスが」

 ルイの呟きが聞こえた二人は言葉を発した人物に視線を向ける。が、視界が暗転し、次に目に移った時には石の地面だった。何が起こったかわからず声を上げようとしたが、喉にヒンヤリした物を当てられ二人は黙る。 地面へ一瞬に二人を俯せの状態にさせたルイは、両手に氷で形作られた1m位の鋭利な剣を持ち二人の喉に押し当てている。氷の剣は冷たい冷気を周りに放ち、周りの温度を下げる。
 ルイは俯せの状態になっている二人の背に乗り、低く冷たい声で有無を言わせない雰囲気をだして言う。

「声を出すな。声を出した瞬間にこの世とお別れだと思え」

 喉に冷気を放っている氷の剣を押し当てられている二人は青ざめた表情でゆっくり僅かに頷く。 それを確認したルイは先程の声より更に声を低くして問い掛ける。

「質問だ。ルゲイエは屋敷の何処に居る?嘘を吐いたらどうなるかわかるな?」

 そう言って、ルイは少し強く喉元に氷の剣を押し当てる。二人の喉元に氷の剣で押し当てられた箇所からちろちろと血が少し下へと滴れていく。二人は青ざめた表情でまた頷く。

「わかったなら、答えてもらおうか」

「に、二回の一番大きい部屋で、す。教えたから、だから助けてくれよ!お願いだ」

 一人の男は見えないルイに青ざめた表情で懇願したように声を震わして言う。もう一人の男は恐怖のあまりスボンから暖かい液体をだし、その液体は石の地面から広がっていく。失禁したようだ。
 ルイは無表情のまま懇願した男に冷めた声で問い掛ける。

「今のお前のように命乞いをした奴らにお前は何ていった…」

「し、仕方がなかったんだよ。俺が悪かったから助けてくれよ!なぁ!」

「この世に仕方がない命なんて無いんだよ」

 ルイは瞬く間に二人を立たせ、腹めがけて目にもとまらぬ速さでパンチを繰り出す。
 殴られた二人は強い衝撃をお腹に受け、血反吐や胃液を口から出し地面へと蹲る。
 その二人に追い打ちを掛けるように、少し魔力によって強化した脚をたたき込み蹴り付ける。
 体全体に重い衝撃を受け、何かがパキッと折れるような音を残し、玄関の扉を突き破って屋敷の中へと二人は吹き飛ばされた。