「そういえば、ルイには言ってなかったな。カインドゲートとはな、大陸ってほどしゃないが大きな島があって、そこにある大きな町の名前だ。それにな、あそこは種族は関係ないし、お互い争う事が無く、むしろ協力しあって生きている。だからそういう組織とか創りやすいんだよ。それに町全体が発展してるんだよ。たしかそうだよな?レイド」

「ああ、そうじゃよ。あれからさらに発展してるんじゃがな」

 レイドは苦笑し、頭を掻きながら同意する。それを見たメリルは呆れたような目や表情をしてレイドに言った。

「あなた相変わらずね。大分会ってないから少しは治ってるかと思ったけど…治らないなんて、病気かしら?」

「おいおい人を病原菌みたいに扱うのは勘弁じゃよ。それより早くここを出ようかね」

 そう言って、レイドはリゼルを担いで控え室から出ていった。残った四人も仕方なくレイドに付いていくという形で出て行くのであった。

 闘技場控え室から出て、ルイ達が泊まっている宿屋の一室に、ニーナ以外が揃っている。ニーナは家族と同じ部屋に向かったのでいない。
 レイドはベットにリゼルを寝かせこれからの事を話しだす。

「リゼルが起きたらカインドゲートに戻ろうと思うんじゃが、メリルも来るんじゃろ?」

「もちろん行くわ。それよりその子が心配よ」

 ベットで横たわっているリゼルに視線を向け心配そうに言う。
 優しい表情でリゼルを見て、メリルに答える

「大丈夫じゃよ。この子なら乗り越えてくるはずじゃ」

「とにかく、リゼルとか言う奴はレイドに任せておけ。ルイ、闘技場はもう終わりだ。変える準備をしろ」

 割って入ったハイドの言葉にえっ?と声を出し、呆気にとられていると序々に頭が回ってくると急いで話しだした。