女性特有の高い声が聞こえた方を向くと、スラリと伸びた美脚に、豊満な女性特有の膨らみに、胸の近くまで伸びたサラサラのストレートの綺麗なエメラルド色の髪をして、二重の気の強そうな翡翠色の目が印象的な美人の女性がドアから入ってきていた。
予想外の人物にレイドやハイドまで驚いた表情をして見ている。
ニーナは何処かで見たことのあるような感じがして、何処で見たかを考える。
確かつい最近だったような。と思った瞬間にあっと声を上げ、女性を指差して言う。
「受け付けにいた眼鏡を掛けた女性!」
「あら、気の強そうな少女じゃない。また会ったわね」
女性は綺麗な微笑みを浮かべる。その笑顔は全ての男性を魅了しそうなほどの微笑みだとニーナは思った。それに気の強そうなのはそっちじゃないと心の中で毒づく。
「そんなことより、レイド。あなた組織みたいなもの創ったそうじゃない?カインドゲートに」
「よく知ってるんじゃね、メリル。こりゃまだ世界に知られてないとばかり思とったよ」
緑色の髪をした綺麗な女性――メリル――の言葉にレイドは別段驚くこともなかった。驚いたのはハイドの方だった。
カインドゲートって何?と頭の中で思うニーナとルイ。
「私、今ここの仕事止めてきたからそこで雇ってくれない?」
ビックリするようなことを、コーヒーとってくれないみたいに普通に言うメリル。
「そうじゃね……いいじゃろ。」
レイドは特に気にするわけでもなく承諾する。続けてレイドは言う。
「ハイド、ルイ君をカインドゲートに連れていっていいかいの?」
「まあ、いいが…後四年待ってくれないか?それからカインドゲートに迎う」
「ちょっと待ってよ!さっきから話がどんどん進んで、それにカインドゲートって何?」
ハイドとレイドが先に話を進めていくのにわけがわからずルイは声を荒げる。二人はルイを見て困ったような表情をする。ルイには世界のことを何にも言っていないことに気付いたハイドは話し始める。


