緑髪の女性に大会最年少といわれ目が点になり、怪訝そうにニーナに聞く。
「ニーナって何歳?」
「私は11歳よ。へえ〜ルイって私より年下なんだあ。大人っぽい言葉遣いするからてっきり年上だと思ってたわ」
ニーナも驚いた様子だったが、ルイはそれどころじゃなかった。ずっとニーナより年上だと思っていたのにここにきて、トンカチで頭を殴られたようなショックを心に受けていた。
落ち込んで俯き加減のルイにそこまでショックなことかとニーナは思うが、なんだかお姉さん的な立場になったためか、ルイを慰めるために声を掛ける。
「ルイ、そんなに気にすることないわ。たった1歳年上なだけよ。たった1歳。たいして変わらないわ」
ニーナに声をかけられ俯き加減のルイは顔を上げ、ニーナを一瞥し少し考えたあとにルイからのマイナス的なオーラが消え呟くように言う。
「そうだな…たった1歳しか違わないしな。どっちかっていうとニーナより俺のほうが大人だもんな」
ニーナはルイを見ていた視線を受け付けにいる緑髪の眼鏡を掛けた女性に向け苦笑する。
女性は何とも言えない表情をし、何事もなかったようにまた受け付け業務に戻ろうとしたら、すっかり元気を取り戻したルイに尋ねられた。
「すいません。あの…Fブロックは何時から始まりますか?」
「それはわかりません。各ブロックの試合開始は先の対戦が行なわれる時間が長引けば、開始時刻が遅くなったりしますし、先の対戦が行なわれる時間が短ければ、開始時刻が早くなったりします。ですけど、他にも要因があります。たとえば、試合で闘技場の舞台が大規模に破損した場合などは、また新たに新しく舞台の設置を行ないます。ここの闘技場は多くの方に一つの試合を見て頂くために舞台は一つしか置いていないのです。だから私たちにはわかりません」
緑髪の女性は長々しい台詞を噛む事無く言いきり、まるでその台詞を見ながら言っているかのように言うのを見て、ルイは心の中でずごいなと思い、それと同時にあまり感情が表に出ない緑髪の女性に機械かなとも思う。


