ルイとニーナは話を闘技場の前でしていたら、闘技場の入り口から見に覚えのある顔の銀髪の男性が出てきた。
 ルイは目を凝らし出てきた男性に大きな声で呼ぶ。

「師匠!どうしていなくなったんですか!?というよりどうしてそこから出てきたんです!?」

 師匠はその声でルイに気付き、ルイのもとに歩いてくる。

「誰かと思ったらルイか。煩くないと思ったらそこにいたのか。そんなことよりルイ、そちらのお嬢さんは?」

 師匠はルイにサラっとひどいことをいい、隣のニーナに目がいき、今気付いたかのように尋ねた。
「同じ迷子だったニーナ・ハルヒニアだよ」

 ルイはニーナに手を向け、自己紹介をした。
 紹介されたニーナは師匠に上目遣いでお辞儀をする。
 師匠はニーナの名前をルイから聞かされたとき、少し驚いた表情をした。そして何やら悪いことを思いついたようなニヤッとした顔でルイに話し掛ける。

「ルイ、少しばかりいなくなったと思ったらこんな可愛い子を見つけてきて、未来のフィアンセを紹介するなんて中々やるな」

 それを聞いたニーナは俯いて頬を赤くし、顔を手で覆った。
 それとは対照的にルイは口を開いたまんまポカーンとしていたが、直ぐに慌てて否定しだした。
「ち、違いますよ!ただ絡まれてたのを助けて、それで同じ迷子だったから一緒に居ただけですよ!」

「ほおーなるほど。電撃的な出会いをしたわけだな」
 師匠はさらにニヤニヤしてルイをからかう。
「だから違いますってば!ニーナとそんな関係じゃないですって!」

 ルイのそんな必死に否定してるのをニーナは見て、心外とでもいうような不満顔でルイに言う。
「ちょっとルイ!そこまで否定しなくてもいいじゃない!私がまるでダメみたいじゃない!」

「いや…そんなつもりで言ったんじゃないって」
「じゃあ何なのよ!?」
「もういいだろそんなこと!」

「よくないわよっ!」

 ルイとニーナは交互に言い争いをして、それが徐々に激しさが増していく。
 それを見ていた師匠は「夫婦喧嘩はよくないぞ」と、茶化して言うと、「「夫婦喧嘩じゃない!」」と見事に同じことを言い、それを聞いた師匠は腹を抱えて笑いだす。そんな師匠を見た二人は言い争いを止め、お互いの顔を見て、不思議そうに師匠の姿を見る。