「いい?闘技場の大会は三日間催されるの。一日目はまず、各グループごとの全員が戦って残った四名が決まるの。次に二日目は一日目で残った人たちの四人による総当たり戦で、一番勝った人が三日目の各グループで勝ち残った人たちによるトーナメント戦。わかった?」

 ニーナはルイに長々と闘技場の大会について説明した。
 その説明を聞いたルイは辛うじて理解し、困った表情をする。
 ルイの表情を見たニーナは「どうしたの?」と不思議そうに聞く。

「いや、何でそんなに詳しいのかなーっと思って…」

 ルイは気まずそうにニーナに言う。
 それを聞いたニーナは今にも怒りそうな勢いで言う。

「なんで私が詳しいかって…それは無理矢理私も出されるからよ!!」

「えっと…どうして?」
「知らないわよ!家のしきたりとか何とかいって私はそんなこと知らないわよ!」

 ニーナは大きい声で喚きちらし周りに居る人から冷ややかな視線が送られてくる。
 それに気付いたニーナは恥ずかくなり赤面する。
 そんなニーナをスルーしてルイは話を進める。
「それは置いといて、ニーナは誰とこの島に来たの?」

「家族よ。ルイは?」

「師匠とこの島にきたんだ。それより闘技場の方に行こ」

 ルイはデカデカと大きく建っている闘技場の方に走っていく。
 ニーナはルイの言動を不思議に思いながらも後を追って走っていった。
「すごぉ!でかっ!多!」

 闘技場に着いたルイの第一声がこれだ。  闘技場の辺りには強そうな剣を持った男や、見物客などたくさんの人がいる。
 後から追って来て着いたニーナは「ルイ速いわよ」と息を乱しながら言い、息を整え顔を上げてみるとルイと同じように声を上げる。

「おっきい!」

「ここで大会が行なわれるんだ…僕も出たいなあ」

 ルイは闘技場を見上げながら呟く。
 その声を聞いたニーナはルイの顔を見てなんてことないよう言う。

「でないの?でたらいいじゃん」

「でも、お金とかいるだろ?」

「たしか…ううん、いらないって言ってたわパパが」

 ルイは困ったような表情をしてニーナの顔を見て言う。
 ニーナは思い出したようにルイに言った。