ルイと少女は路地から出て、大きな通りに面してる道を歩きながら話している。

「そういえば君の名前知らなかったな。名前何ていうの?」

「私はニーナ・ハルヒニア。ニーナでいいわ。あなたは?」

 赤髪の少女はニーナと名乗り、ルイに名前を聞く。

「僕はルイ・ハーティス。ルイでいいよ」

 ルイは自分の名前を言い改めてニーナを見てみる。
 ニーナは肩まで延びきった長い綺麗なワインレッド色の髪をしていて、顔は色白で二重の目がつり上がっていてきつい印象受けそうだが、ニーナの笑顔がそうさせない。ニーナを一言で言うなら幼いがそれでも美人といっていいだろうと思う。 ぼんやりニーナを見ていたら何?と言ってきて慌てて「なんでもない」と言い誤魔化すために思い出したように話をする。

「そういえばさ、どうしてこんなに人がいっぱいなんだ?」

「えっ?どうしてって…ルイその目的のために来たんじゃないの!?」

 ルイの言ったことに、ニーナは信じられないという顔で言う。

「その目的って?」

「闘技場での大会よ。ルイ強かったじゃない」

「強いかな…それより闘技場の大会と人が多いのと、どう関係があるんだ」

 ルイは不思議そうに聞いたら、ニーナは当然のように言う。
 まだちんぷんかんぷんのルイは?を浮かべニーナに聞く。

「だからぁ、闘技場の大会があるってことは人が集まるでしょ?そこに人が集まると儲けようとする人が現われてもおかしくないよね。それでこんなに人がいっぱいいるのよ」

 ルイにわかるようにゆっくり説明したニーナはフゥと一つ息を吐く。
 ルイはニーナの説明で「なるほど」と呟きすっきりした顔になるが、そうすると気になることができたので、ニーナにまた聞く。

「闘技場の大会っていったい何?」

「本当に知らないの!?」
 ニーナはまた信じられないという顔でルイの顔を見る。そして、もう、と呟きルイに説明する。