ルイは男達が火の玉をくらい、地面にのたうち回ってるのを見て、心の中であの女の子恐いな、と思い見ていたら、男達がナイフを取出した。

「やばいよな」

 ルイが呟いた時、その内の一人が少女に向かって走っていき切りつけようとしていた。

「きゃあー……え?」

 赤髪の少女は悲痛な声を上げ瞳を閉じ、直ぐくるであろう痛み耐えようとしていたが、いつまで経ってもこない痛みに不思議に思い目を開くと、男が地面へと崩れ落ちているところだった。
 男が崩れ落ちた先に自分と同じぐらいの白銀の髪で端正な顔立ちだが、幼さの残る男の子が剣を持っていて、声を掛けてきた。

「大丈夫?」

「え、あ…はい」

「そう、よかった」

「あの…ありがとうございます」

 少女は白銀髪の男の子にお礼を言う。

「おいそこのガキ!今何しやがった!?」

「何したって、ただの峰打ちだけど」

「そんなこと聞いてるんじゃねぇ!そんなことしてただですむと思ってんのか!」

 二人の内の一人が怒鳴って言い、ルイは生意気に言い返した。
 そのことが気に障ったのか、男がナイフを片手に持ち、ルイに向かって走って駆けてくる。
 それを見てルイは「仕方がないなぁ」と言い、その場から突然消え、一瞬で向かってきた男の背後に移動し峰打ちを首元にやり、その男は気絶して倒れた。

「ねぇ?まだやる?それともこの二人を連れて消えてくれる?」

 ルイは笑いながら残っている男に話し掛けた。 その言葉を聞き、男は舌打ちして気絶している二人を背負って路地から去っていく。
 それを見届けた後、少女の方を向き話し掛ける。
「ねぇ君。さっきの人たちって一体何?」

「ううん、わからない。私一緒に居た人とはぐれて迷子になっちゃって迷ってふらふらしていたらここの路地に着いて、こんなことになったの」

「そうなんだ…実は僕も同じ迷子なんだよね」

 少女は恥ずかしげにルイに言う。
 その言葉を聞いたルイは少女に苦笑いしながら言う。

「同じ迷子だったんだ」
 少女が言うと、二人はお互いの顔を見て何をするでもなく笑いだした。