町の方にやって来た師匠とルイは人がたくさんいるのに驚いた(ルイだけが)。

「うわあ、すごい!こんなにいっぱい人がいるなんて!」

 ルイは忙しなく行き交っている人たちを見て珍しげに言う。

「まあな。闘技場の大会が3ヵ月に一回あるからな。その時だけこんなにいっぱい人がくるってことだ。それより宿を取りに行くぞ」

 そう言って師匠は人込みの中へと歩いていく。 ルイは師匠からはぐれないために後を追うように歩きだす。

「師匠っ、ちょ…と、待って…ください」

 人込みの中をかきわけてルイは師匠の後を歩いていたが、人込みが増し、それにのまれ、先先行く師匠の背に声を掛けたけど、それが聞こえなかった師匠は人込みの中へと消えていった。
 ルイは急いで人込みの中から出て師匠を追いかけたが、辺りには師匠の姿はなかった。
 ルイは茫然と立ち尽くしていたら、建物と建物の隙間の路地から女の子と数人の男たちが何やら揉めている声が聞こえてくる。

「やめてよ!触らないで変態!」

「うるさいんだよ嬢ちゃん。ほら!こいつをさっさと黙らせろ」

 ルイは路地に入ると、赤い髪の少女と茶色い髪をした三人の男性が揉み合っていた。

「もう!痴漢!変態離しなさいよ!」

 赤髪の少女が甲高い声で手首を掴んでいる茶髪の男性に言う。

「早くこの嬢ちゃんをなんとかしろ!」

 少女の手首を掴んでいる男性が他の二人にイライラ声で言う。
 言われた二人の男性は少女を押さえ込もうとするが、物凄く暴れるため苦戦している。
 少女は体を触られすぎられたため、キレて、「こんのぉ」と言い火の玉を三人の男に食らわせた。
 火の玉を食らった男たちは地面に転げ回り、服に付いた火をなんとか消した。

「いい加減にしろよガキ!」

 一人の男が怒りキレてナイフを出し少女に言う 他の男達も同じようにナイフを出した。

「お、大人気ないわよ!ナイフなんか出して危ないじゃない!」

 少女はナイフを取り出した男達に声を震わしながらも強気に言う。

「声が震えてるぜ嬢ちゃん。俺達を怒らした嬢ちゃんが悪いんだぜ!」

 一人の男が、にたぁと笑い、少女に走っていき切りつける。