師匠は海の方へ目にもとまらぬ速さで振りぬくと剣から真空の刄が放たれ海面を裂けて進んでいき、見えなくなった。
 それを見ていたルイは驚いた顔をして師匠に聞く。

「師匠、今のはなんですか…?」

「俺が太古の昔にあったものを改良し編み出した剣技だ。まあ、まだ全部完成はされてないがな」
 師匠は苦笑いしながらルイに答えた。

「師匠いったい何式まであるんですか?それに何式まで完成してるんですか?」

「十式ある中の九式までだがな。あと裏式は五つある中の裏三式までだ」
 ルイはさっきの技をみて何式まであるのか聞くと、いいづらそうに師匠が答える。

「ルイ、破風をやってみろ」

 師匠にそう言われ、ルイは剣を構え瞳を閉じ集中しだした。
 ルイの集中が高まり、瞳を開き、剣を振りぬいた。剣から放たれた半円の真空刃は海面を裂いて進んでいき消えた。
 それを見た師匠は「よくできたな。あとはすぐ技を出せるようにしておけ」といって、操舵室の中へ戻って行った。