ルイは斬りつけたのを師匠に簡単に躱され、師匠に回し蹴りをされたのを辛うじてしゃがみ、間合いをとるためにバックステップをする。
 師匠はルイがバックステップをすることを読んでいたのか、先回りし、ルイを蹴り付ける。
 ルイは師匠のスピードについていけず、背中を蹴られ操舵室の方へと吹き飛ばされた。バンッと音がし、操舵室に叩きつけられたルイは、痛そうに顔を歪め、剣を支えにして立ち上がる。

「どうしたルイ?お前の実力はこんなものか?」
 師匠はフッと鼻で笑い、ルイを挑発した。

「もう怒った…真剣にやって師匠に勝ってやる」
 ルイは師匠の挑発を真に受け、不機嫌そうに言う。

「ごたくはいいから早く掛かってこい」

 その言葉を合図にルイが、さっきまでのスピードと比較にならない速さで師匠の後ろに回りこみ横一線になぎ払う。
 さっきまでのスピードを越える速さをいとも簡単に剣を背中に回しキンッと剣と剣との音がなりルイの攻撃を受けとめる。
「ほぉ、やればできるじゃないか」

 さっきまでと違うルイの攻撃に感嘆の声を上げる。

「よく言うよ師匠。簡単に受けとめたくせに」

 ルイはひねくれて面白くもないと言った感じに言う。

 師匠はルイに向き直り剣を構える。そして、ルイに言う。

「お前には戦闘のセンスはあるがもっと冷静になって仕掛けていけ。そしたら、見えないものが見えるようになるだろう。そうだな…お前は俺の優秀な弟子だからなそろそろ俺の業を伝授していってもらう。最初の業がこれだよく見ておけ。“一式―破風(はふう)―」