どこまで行っても青の世界が広がっている所に、ポツンと一隻の船がユラユラとルイと師匠を乗せ船が進んでいる。
 辺りは青い海が穏やかに広がっている。太陽の光が水面に射して、乱反射して、水面がキラキラと輝いている。
 ルイはそんな水面を船の側面の出ている部分に肘を置いて見ながら、どこまでも続く海に退屈していた。


――未来に繋がる今――



「暇だあー!」
 ルイはあまりに何もすることが無く、退屈すぎて、わけもわからず叫んでいる。
 ルイのそんな声が聞こえた師匠は、操舵室から出てルイに声をかけた。
「うるさいぞルイ。さっきから何もすることが無いなら、筋トレでもしとけ」
「師匠、そんなこと言ったって筋トレしたって退屈だよ」
 ルイは師匠に言われたことに面白くもないように言うと、腰を落として座りもたれ掛かった。
 師匠そんなルイの態度に「仕方ないな」と呟き、ルイに言う。
「ルイ。今から剣技の練習をしてやる。だから早く氷蛍陣持って来い」
 師匠の言葉を聞き、急いで船室の自分の部屋に行き、氷蛍陣を持って急いで降板に居る師匠のもとへと戻った。
「ルイ。魔法なしの剣技だけの稽古だからな。あと、船を剣で傷つけたりするなよ」
 師匠は氷蛍陣を持って戻ってきたルイに言う。 ルイは師匠の言葉を聞き「了解しました」と言って、鞘から剣を抜き構えた。
 ルイが剣を抜いたのを見て、師匠は自分の腰に差している剣を鞘から抜きゆっくり構えた。
 師匠の剣はルイの剣よりも少し大きくその刀の色は真っ赤で透き通っている。剣の形状は、切っ先に向かうにつれて弧を描くようになっている。 ルイは師匠の剣を一度も見たことが無かった。
「この剣が気になるか。この剣は友人から受け継いだものだ…亡くなっているがな」
 師匠はルイが不思議そうにこの剣を見ているので、説明してやる。
 ルイは気付かなかったが、師匠が説明している時、僅かに悲しい表情をした。「それじゃあ始めるか」
 師匠はそう言ってルイに指をクイクイと動かし、ルイに来いというように催促した。
 ルイは師匠に向かって走りだした。
 ルイは大人でも無理であろう、とても子供と思えない速さで重たい剣を持ち師匠に縦に斬りつける。
 師匠はルイに斬りつけられた剣を一歩横に動くだけで躱し、ルイに向かって回し蹴りをする。