翌朝。
 バタバタ。

 廊下を走る音が朝から響く。
 ルイは玄関に向かって急いで走っていた。


「遅いぞ、ルイ」

 師匠は厳しい表情をして、今さっき着いたルイに言う。


「寝坊してすいません、師匠」

 ルイは汗で額に付いた髪の毛をうざそうに掻き上げて言う。


「まあいい。それよりルイ。旅に出る前にお前にこれを渡しておく」

 師匠は腰に差していた二つの剣を片方だけ紐付きの鞘が付いている剣をルイに渡す。


「師匠、これは…」

 ルイは師匠から受け取った鞘を抜き、髪と同じ色の白銀の剣を持ち上げ掲げてみる。
 ルイは白銀の剣をよく見てみると、鍔の所に碧宝石が埋め込まれているの気付く。それに、120位の長さでロングソードとかわらない。普通より重いのにも気付いた。
 ルイは掲げていた白銀の剣を鞘に戻し、師匠にこの剣のことを聞く。


「その剣は俺が旅をしていた時に使っていた剣だ。お前にやる。あと、その剣は氷の属性が付与されている剣で名前は、“氷蛍陣(ひょうけいじん)”だ。うまく使いこなせ」

 師匠は懐かしむようにルイが持っている剣の名前を告げた。


「氷蛍陣か…よろしくな氷蛍陣!」

 ルイは背負っていた革製のバックからベルトをだし、自分の腰に巻き付けれるようにした。そして剣の名前を満足そうに呟いたあと呼ぶ。


「ルイ、行くぞ」

 師匠はそう告げると玄関から外に出ていく。
 ルイは師匠が出ていくの見て急いで追い掛け外に出た。