「え?本当に旅にいけるんですか師匠!?」

 ルイは師匠の言った言葉に目をキラキラ輝かせながら、師匠に迫った。
「ああ。そろそろお前に実戦を経験させないと、と思っていた頃だ。それに旅のついでに二ヶ所ほど行くところがあるんだがな」

 師匠はルイが嬉々したよう迫ってきたので表情を緩めて言う。

「師匠いつ旅にでるんですか!?」

「そうだな…明後日ぐらいに行くか」

 ルイがいつ出発するのか聞くと、師匠は思案してから答えた。

「ルイ。旅に出るのにあたって一つだけ約束を守れ」

 師匠は浮かれて走り回っているルイに真剣な顔で言う。
 ルイは師匠が真剣な顔で言ってきたので、走るのを止め、師匠の所に戻って首を傾げた。

「それは、“俺の言うことは絶対だ”ということだ。それだけは守れないと旅には行かないぞ」

「はい。師匠、約束は守ります」

 師匠はルイの瞳を射ぬくように見て言う。
 ルイは傾げていた首を元に戻し、同じように師匠の赤い瞳を見返して言う。

「俺から言うことはそれだけだ。ちゃんと明後日までには旅の支度の準備をしておけ。あと…ウルティメートは使うな。使ってインフィニティまでだわかったな?」

 師匠はルイの言葉を聞くと、ルイに言う。そして小屋の方に向けて歩きだす。
 師匠は歩くのを突然止め、ルイの方に振り向いて厳しい表情で言うと、また歩きだして小屋の方に戻っていく。

「師匠…ウルティメートは使いません…」

 ルイは歩いて戻っていく師匠に小さく言う。