「そうか…そんなに魔法の修業がしたいか…それじゃ、避けてみろ。ベアーグランド」


 ルイが言い訳を言うので、にやっと笑い、魔力を練り上げ呪文の名前を紡ぐ。
 突然まわりと言うか、ここら一帯の地面が揺れだし、徐々にルイの居る所の地面が裂ける。


「ちょっ!?師匠!クライシスクラスの魔法はないよ!?」


 地面が割れる前にルイは、空気中の水分を凝結させ空中に氷のブロックを幾つも作り、それにルイは跳び移り、地上から十メートル位まで上がり終え、師匠にありえないものを見るような目を向ける。


「ほぉ、よく避けたな。それにそんな芸当まで出来るようになりやがって、可愛くないぞ、ルイ」

 師匠はルイのさっきまでの行動を見て、上の氷りのブロックに居るルイに感嘆の声を上げる。
 弟子のルイがあまりにも可愛げがないので面白くないといった感じで言う。


「師匠、男に向かって可愛げないとは何ですか!?別に僕は可愛くなくていいんです!それに師匠!弟子に対して大人気ないと思わないのですか?クライシスですよ!クライシス!」


 ルイは自分の師匠があまりに大人気がなく、不満たらたら大きな声で言う。
 師匠はそんなこと気にも止めず、魔力を地面に向けて送る。
 地面が盛り上がり、人一人が座れるぐらいのスペースがあるところに座る。座ると地面がさらに盛り上がり高度を上げていく。
 ルイが居る高さまで上がると、盛り上がるのをやめた。