「お兄ちゃんとヤっちゃおうか?」

「ばかか!!ヤんないっつうの!!」

オレは、兄貴に目掛けてアッパーカットを一撃食らわした。
――ガツンっ
見事クリーンヒット。


「‥‥いってぇー!!」

後ろに反り返った兄貴はそのまま顎を抑え、叫び声に近い声で唸った。

「ばーっか。」

ベーっと舌を出して嫌みな顔をして、オレは部屋から飛び出した。

こんなやつと一緒に住んでるなんて、考えたくない!
ぐっと手に力をいれて、力一杯扉をしめた。

これがオレの夏の始まり。