夢のようなヒトトキ。


僕は話しかけることも出来ず、ただ彼女に見とれていた。


名前も知らない彼女。

かわいい水玉模様の傘。


彼女は傘立てに傘を差して、五組の教室に入っていった。



「おまえ、あの女に惚れてるの??」


後ろから聞こえた低い声により現実に引き戻された僕は、はっと振り返る。