「…うん…そだね。明日で二学期終わっちゃうしね」



なんとか絞り出した声は自分でもすごいと思うくらい、普通の声で。

ズキズキと痛む胸をできるだけ無視して、無理矢理笑う。



本当はもう、相手なんてどうだっていいのに。


滝川くんじゃないなら、知らないほうが全然いい。



…悲しくなるだけだから。




数日前とは真逆になったキスへの気持ち。


身勝手なあたしは気持ちがころころ変わって。



「……頑張れよ」



滝川くんはあたしの頭をぽんぽんと叩くようになでると、そのまま図書室へと入っていった。