顔を膝の間にうずめると、遠くでチャイムの音が鳴る。


五時間目の授業の始まりの合図。



気づいたときにはすでに遅くて。



「……あ」



……授業、サボっちゃった…。


あたし、ただでさえバカなのに…。



ダメだな、なんて思うものの、今から戻る気もしない。



今はまだ…滝川くんに会いたくない…。





あたしは風当たりの少ない場所へ移動すると、初めて授業をサボった。